水害時の衛生対策と消毒方法

更新日:2022年01月21日

台風や大雨などにより家屋等が汚水に浸水すると、細菌が増えるなど感染症や食中毒が発生しやすい環境になります。そのような場合は、次の手順を参考に、衛生対策や消毒を行うようにしてください。

衛生対策について

家屋などが浸水した場合、次のとおり清掃及び消毒し、衛生対策を行ってください。

清掃(汚れの洗浄・除去)

  • 室内を乾燥させるため、できる限りドアと窓を開放してください。可能なら扇風機を使用してください。
  • けがを防ぐために厚手のゴム手袋、ゴム長靴(あればゴーグルを付けて眼も保護)、ほこりを吸い込まないためにマスクを付けて清掃に当たってください。
  • 床、壁、金属部分、調理台、シンクなどは水と石けん(洗濯石けんや食器用洗剤)で洗い流し、泥や破片を取り除いてください。
  • 浸水した衣類、布類は熱水洗濯、あるいは80度の熱水に10分以上漬けた後洗濯し、乾燥させてください。
  • 作業終了後は、しっかり手を洗ってください。清掃時に着ていた服は、汚れていない服と区別して洗濯してください。

清掃の具体的な例

1、床上浸水の場合

室内は、泥や汚れを十分に取り除いた後、消毒をしてください。

  • 水が引いた後、濡れた畳や家の中の不要な物を片付けてください。
  • 汚れた家具や床・壁などは、水で洗い流すか、雑巾で水拭きするなどしてください。
  • 食器類や調理器具などは、水洗いして汚れをきれいに洗い流してください。
  • 食器棚や冷蔵庫などは、汚れをきれいに拭き取ってください。
2、床下浸水の場合

土砂等を取り除いた後、水道水で洗い流し、しっかり乾かすことが重要です。

  • 汚泥や不要なものなどを片付けてください。
  • 庭木や外壁についた泥は、水で十分に洗い流してください。
  • 床下換気口のごみを取り除き、床下の風通しを良くしてください。
  • 床下はスコップや流木を用いて汚泥を取り除いた後、雑巾などで水気をなくし、扇風機などにより強制的に換気し、乾燥させてください。

消毒(清掃・洗浄後に乾燥させてから消毒)

  • 消毒は、必ず泥や汚れを除去した後に行ってください。清掃が不十分であると効果を発揮できません。
  • 洗浄や拭き取りにより十分に汚れを除去して、乾かした後、消毒してください。
  • 食品を取い扱う場所、子供が遊ぶ場所の表面はしっかりと消毒してください。

(注意)消毒については裏面を参照してください。

食中毒及び感染症の予防対策について

  • 水に浸かった食品や、停電により保存温度が保てなかった要冷蔵・冷凍食品は廃棄してください。
  • からだに異常を感じたら早めに医療機関で受診してください。
  • 食事の前や用便、清掃の後などは、石けんと流水でしっかりと手を洗ってください。

消毒薬の使用方法

手指の消毒
消毒薬 調整方法 使用方法
  • 石けんと流水
  • 手指消毒用アルコール
なし
  1. 汚れを石けんで洗い、流水で流す。
  2. (可能なら)清潔なタオルなどで手指を乾燥させた後、アルコールで消毒する。
食器類、流し台、浴槽の消毒
消毒薬 調整方法 使用方法
次亜鉛素酸ナトリウム(家庭用塩素系漂白剤)(市販の家庭用ハイターやブリーチ等の原液濃度は約5%)
  • 0.02%に希釈する。
  • ペットボトルのキャップ1杯(原液5ミリリットル)を水1リットルに希釈する。(0.025%)
  • 製品のキャップ1杯(原液25ミリリットル)を水6リットル(10リットルバケツの6割まで水を入れる)に希釈する。
  1. 食器用洗剤と水で洗う。
  2. 希釈した消毒薬に5分間漬けるか、消毒薬を含ませた布で拭き、その後、水洗い・水拭きする。
  3. よく乾燥させる
消毒用アルコール 希釈せず、原液のままで使用する。
  1. 洗剤と水で洗う。
  2. アルコールを含ませた布で拭く。
    • 70%以上のアルコール濃度のものを使用する。
    • 火気のあるところでは使用しない。
熱湯消毒
  • 80度の熱水に10分間漬ける。
  • 食器の消毒に使用する。
  • 熱水は、有効・安全・経済的な消毒方法。
  • 汚れを洗い流してから行う。
10%塩化ベンザルコニウム
  • 0.1%に希釈する。
  • ペットボトルのキャップ1杯(原液5ミリリットル)を水500ミリリットルに希釈する。
  1. 泥などの汚れを洗い流すか、雑巾などで水拭きしてから、十分に乾燥させる。
  2. 調整した液を浸した布などでよく拭く。
家具類、床、堅い表面の消毒
消毒薬 調整方法 使用方法
次亜塩素酸ナトリウム(家庭用塩素系漂白剤)
(市販の家庭用は痛ーやブリーチ等の原液濃度は約5%)
  • 0.1%に希釈する。
  • ペットボトルのキャップ2杯(原液10ミリリットル)を水500ミリリットルに希釈する。
  • 製品のキャップ1杯(原液25ミリリットル)を水1リットルに希釈する。(0.125%になる。)
  1. 泥などの汚れを洗い流すか、雑巾などで水拭きしてから、十分に乾燥させる。
  2. 調整し液を浸した布などでよく拭く。
  3. 金属面や木面など、色あせが気になる場所は水で2度拭きをする。
消毒用アルコール 希釈せず、原液のままで使用する。
  1. 泥などの汚れを洗い流すか、雑巾などで水拭きしてから、十分に乾燥させる。
  2. アルコールを含ませた布で拭く。
    • 70%以上のアルコール濃度のものを使用する。
    • 火気のあるところでは使用しない。
10%塩化ベンザルコニウム
  • 0.1%に希釈する。
  • ペットボトルのキャップ1杯(原液5ミリリットル)を水500ミリリットルに希釈する。
  1. 泥などの汚れを洗い流すか、雑巾などで水拭きしてから、十分に乾燥させる。
  2. 調整した液を浸した布などでよく拭く。
  • (注意1) 塩化ベンザルコニウム(逆性石けん)、アルコール、次亜塩素酸ナトリウム(塩素系漂白剤)の使い分けについては、以下を基準として考えます。
    • 汚染の程度がひどい場合、長時間浸水していた場合は、できるだけ次亜塩素酸ナトリウムを使用してください。
    • 対象物が、色あせ、腐食などにより次亜塩素酸ナトリウムが使用できない場合は、アルコール、塩化ベンザルコニウムを使用してください。
  • (注意2) 消毒薬は使用するときに上の表を参考に希釈してください。作り置きした消毒薬は効果が十分発揮できません。
  • (注意3) 消毒薬は色々な濃度のものが市販されているので、希釈倍率には注意してください。

出典:日本環境感染学会「暫定版ガイダンス 一般家屋における洪水・浸水など水害時の衛生対策と消毒方法」

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中和保健所 0744-48-3030
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内吉野保健所 0747-22-3051
消費・生活安全課(衛生関係) 0742-27-8674
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この記事に関するお問い合わせ先

保健部 健康増進課

大和高田市西町1-45(保健センター内)
電話番号:0745-23-6661

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