歯科コラム

更新日:2024年09月06日

大和高田市広報誌「やまとたかだ」に、3ヶ月に1回、大和高田市歯科医師会の先生による、歯やお口の健康についてのコラムを掲載しています。

もくじ

2024年度 歯と全身の健康

第1回 歯と全身の健康~顎関節症について~

顎関節症とは、「顎がカクカク鳴る」「口が開きにくくなる」「顎が痛くなる」といった病気です。一言に顎関節症と言っても色々な原因があるのをご存じですか?
筋肉痛、捻挫、クッションのずれ、骨の変形があります。それぞれ原因が違うので治療方法も変わってきます。

もし気になる方は近くの歯医者で診てもらいましょう!
顎関節症は色々な原因で起こるのですが、その中でも日常生活での無意識の癖が負担になっていることも。日常生活では歯ぎしりや食いしばり・ストレス・猫背・頬杖などが良くない癖になります。TCHという無意識に噛んでしまっていることも挙げられます。

上下の歯は食べる時以外は基本的には噛んでいません。もし、起きている時に噛んでいたら自分で噛むのをやめましょう。付箋やシールに「噛まない」と書いて目のつくところに貼っておくのも効果的です。
むし歯と同じで傷ついた顎関節を完全に元に戻すことはできません。痛みを和らげたり、口を開けやすくするのが治療になります。

整形外科も同じで関節は自分でリハビリしないと治りません。セルフケアが大事なのはむし歯や歯周病と同じです。かかりつけの歯医者で根気よく改善していきましょう!

 

大和高田市歯科医師会 藤原 智康

第2回 目指せ、歯ブラシマスター

お口のセルフケアしっかり出来ていますか?「フロスや歯間ブラシ、色々買ってはみるけれど毎日ちゃんと使えていない。」そんな人も多いのではないでしょうか?
でも歯ブラシなら自然と手が伸びて使えるという方もいると思います。みなさんはどんな歯ブラシを使っていますか?

まずは毛先を見てみましょう。先が丸くなっているものと、毛先を細くしてあるものの2種類に分かれます。どっちを使うのが良いと思いますか?
正解は、どっちも使ってもらうのが良いです!
丸い毛で歯の面をサッと磨き、細い毛で細かく磨いていきます。でも毎回両方使うのは面倒臭いですよね?

例えば朝昼夜磨く人なら朝はサッと丸い毛で、昼は細い毛で細かいところだけ、寝る前は両方使ってじっくり磨くというのはどうでしょうか?
これならフロスや歯間ブラシを毎回使うより続けられそうじゃないですか?でも磨きすぎも良くはありません。歯茎や歯を傷つけている恐れもあります。歯磨きを頑張ればむし歯や歯周病から歯を守れます。

しかし、自己流では限界があります。歯科衛生士さんと一緒に歯磨きのクオリティを上げ、プロフェッショナルケアを受けることがお口の健康を長期的に守るために必要です。
 

大和高田市歯科医師会 藤原 智康

2023年度 妊婦の歯科治療について

第1回 妊婦さんの歯科治療について

昔は「妊娠すると歯が悪くなる」「一子を得ると一歯を失う」と言われた事があります。妊娠すると口内環境が変化して、むし歯や歯周病のリスクは高くなります。適切なお口のケアにより、予防する事も可能です。

妊娠中の歯、お口の健康を保ち、安心して出産を迎えてほしいと思います。全4回で妊娠中の歯科治療、お口の問題と対応などについて説明していきます。

妊娠期に見られやすい歯やお口の問題点は、歯肉の腫れや出血、歯や歯肉の痛み、冷たい物や熱い物がしみる、唾液が粘っこい、気分が悪く歯磨きができない、歯垢がたまりやすい、などです。

妊娠により女性ホルモンが急激に増加し、歯周病菌が増えやすくなり、また血管の透過性が高まり、唾液の粘性が高まって口腔の自浄性が低下し、歯肉の炎症、出血が起こりやすくなります。「つわり」による歯磨きの困難、胎児の発育による食事回数の増加とそれに応じた口腔ケアの不足により、口腔環境は悪化して、むし歯や歯周病のリスクは高まります。

次回はお口の問題への対応についてです。

   大和高田市歯科医師会   吉岡 秀樹
 

第2回 妊娠さんの歯科治療について2

 前回からの続きで、お口の問題への対策についてです。

 ・妊娠中は、食生活や口腔ケアの問題からむし歯や歯肉炎にかかりやすくなるので、普段以上に気をつける事が大切です。
 ・食事や間食の回数が増すので、食後の歯磨きやうがいをこまめに行いましょう。
 ・「つわり」の時には、できるだけ気分のよい時に歯磨きを行い、磨けない時はブクブクうがいをしましょう(ヘッドの小さい歯ブラシを使うとよいでしょう)。
 ・食嗜好も変わりやすいので、糖分の多い飲食物や酸性食品をだらだら食べる事は控えましょう。

[妊娠時の歯科治療、受診時の注意点]
体調が安定している妊娠中期(妊娠5~7ヵ月頃)の受診をおすすめします。その他の時期も母体の状態や治療内容によっては可能です。

母子健康手帳を提示して、産婦人科医から注意を受けている事は必ず歯科医師に伝えましょう。楽な姿勢で治療を受け、体調や気分が悪くなった時は遠慮なく申し出ましょう。
 

大和高田市歯科医師会  吉岡 秀樹

第3回 妊娠さんの歯科治療について3

妊娠時の歯科治療では、妊娠さんが使っても大丈夫な薬剤を使ったり、短時間で済む処置を行うなど、母体に配慮した治療が行われます。
 妊娠初期や後期に受診すると、場合によっては応急処置だけをして治療の時期をずらす事もあります。気になる事があれば歯科医院に相談しましょう。
親知らずの抜歯など大がかりな歯科治療を行う時は、産科の先生にも伝えておくと安心です。

 [歯科治療に際しての心配事]

・エックス線撮影は大丈夫?
歯科用のエックス線撮影は腹部から離れており、放射線量もごくわずかで、お腹の赤ちゃんにはほとんど影響ありません。防護エプロンを着用するとさらに安心です。
   
・歯科治療時の麻酔の影響は?
通常の歯科治療に用いられる麻酔は局所麻酔で、使用量もわずかですし、局所で分解されるため、胎児に影響ありません。痛みを我慢しての治療は、母体にも胎児にもストレスになるため、安定期(16週~)には適切に使用した方がよいでしょう。

   
大和高田市歯科医師会  吉岡  秀樹
 

第4回 妊娠さんの歯科治療について4

 [赤ちゃんの歯の発育と栄養、保健]

・赤ちゃんの歯の発育
子供の歯が生え始めるのは生後6~8ヵ月頃ですが、歯のもとになる芽(歯胚)ができ始めるのは妊娠7~10週頃です。妊娠4~5ヵ月頃からはこの歯胚にカルシウムやリンがくっついて少しずつ硬い組織になり、歯の形を作っていきます。一部の永久歯の歯胚も妊娠期から作られ始めます。

・歯の発育に必要な栄養
歯を硬くするカルシウムやリンばかりでなく、歯胚の形成に役立つタンパク質、カルシウムの代謝を助けるビタミンD、Eや歯質の基礎を作るビタミンA、Cなど様々です。バランスのとれた食事を心がけましょう。

・赤ちゃんの歯科保健
むし歯菌の代表的なものはミュータンス菌で、生まれたばかりの赤ちゃんのお口の中にはいません。やがて周囲の人のお口の菌が唾液を介して赤ちゃんのお口の中に入ってきます。乳歯が生えて、糖分を摂るとミュータンス菌が住み着きやすくなります。授乳や食事の後はガーゼや歯ブラシで歯をきれいにしましょう。
 

    大和高田市歯科医師会   吉岡  秀樹
 

2022年度 疾患と歯科治療の関係性

第1回 歯科を受診する前に、知っておいていただきたいこと

歯科にかかる際、みなさんはご自身の疾患を、どの程度伝えていますか。例えば、高血圧や糖尿病は、一般的に問診票に記載するようになっています。これは疾患によって、治療方針が変わる可能性があるためですが、歯科でこれらの申告を行う重要性については、意外と知られていません。

そこで、これから4回にわたり、疾患を持つ方が歯科を受診する際の注意点について、みていきたいと思います。

なお、今回の連載は、特に高齢者に焦点をあてています。高齢になると、病気の慢性化や、疾患があるのも関わらず主症状が現れない、といった特徴がでてくるためです。

まずは、脳神経疾患である、脳梗塞や脳出血についてです。発症から6ヶ月は再発の可能性が高いため、歯科は応急処置に留める必要があります。また、血を固まりにくくする薬を服用している方は、出血を伴う歯科治療に注意が必要です。この場合、発症の背景や、内服薬を申告してもらうことで、より安全な治療が可能になります。

また、後遺症での麻痺等により、食べカスや入れ歯での傷に気づかないことがあるため、口腔ケアを入念に行う必要があります。

次回以降、5つの分類により、各疾患の特徴をお伝えしていきます。


大和高田市歯科医師会 福岡 哲郎

第2回 循環器系疾患、呼吸器系疾患

この連載では、特に高齢者で疾患をお持ちの方に対し、歯科治療の観点から注意すべき点をお伝えしています。
今回は、循環器系疾患及び呼吸器系疾患と歯科治療の関係です。

まずは、循環器系疾患です。高血圧などがよく挙げられます。高血圧は、午前中の比較的血圧が低い時間帯に治療をすることが望ましく、降圧剤の服用も検討する必要があります。また、不安や痛みで血圧が上昇するため、モニタリングをしながらの治療が理想的です。高齢者には早朝高血圧の特徴をお持ちの方もいますので、症状を共有することが重要となります。

また、狭心症や心筋梗塞も、特に心不全、不整脈、残存心筋虚血がある場合は注意が必要となります。

次に、呼吸器系疾患は、血中酸素飽和度が低下しやすいため、ストレスを避け、休憩しながら治療を行うことが有効です。在宅酸素療法をされている方は、短時間で、火気を避け、座位で治療することが推奨されています。

このように、疾患の種類により、注意すべき内容が異なりますので、歯科を受診される際は、ご自身の症状について、詳細に伝えていただくことが重要となります。

次回も、引き続き各種疾患と歯科治療の関係性について記載したいと思います。


大和高田市歯科医師会 福岡 哲郎

第3回 代謝・内分泌疾患、肝・腎疾患、その他

 今回は、代謝・内分泌疾患、肝・腎疾患等を取り上げます。

身近なものとして糖尿病があげられ、インシュリンの使用状況や、空腹時血糖値及びHbA1cを申告することで、症状に合う治療方針を定めます。抵抗力が弱く、傷の治りも悪いため、抜歯などは特に注意が必要です。また、歯周病などの炎症のコントロールが困難なため、口腔ケアを徹底してください。

肝臓や腎臓の疾患は、免疫力が低下し、高血圧や心疾患を併発しやすいため、抗生剤や鎮痛剤の投与量に注意が必要です。透析している方は透析翌日が治療に最適です。逆に、透析後6時間以内は避けることが推奨されています。

その他の疾患として、慢性リウマチや骨粗鬆症の場合、ビスフォスフォネート製剤と言われる予防薬が処方されることがあります。この種の薬は、処置後に骨壊死を起こすことがあるので、骨を触るような外科処置は必ず相談するようにしてください。

このように、代表的な疾患だけでも、それぞれに注意点があります。次回は、疾患と歯科との関わり方のキーワードとなる、「医科歯科連携」の重要性について、お伝えします。
 

大和高田市歯科医師会 福岡 哲郎

第4回 「医科歯科連携」の重要性について

この連載では、特に高齢者で疾患をお持ちの方に対し、歯科治療の観点から注意すべき点をお伝えしてきました。既往症や疾患を歯科に共有することの重要さはこれまで述べてきたとおりですが、どこまで伝えるべきなのか、難しさを感じることもあるかと思います。

このような観点から有効とされているのが、「医科歯科連携」です。あまり耳慣れない言葉ですが、文字通り、医科と歯科の協力関係を指します。

従来、歯科医療は外来が中心で、入院患者の口腔管理に関わることはほとんどありませんでした。しかし近年、大学病院などを中心として、医療の質の向上を目的とした、医科歯科連携が進められています。

例えば、がんや糖尿病に、歯周病の治療を併用することによって、治療効果が高まる可能性が示されています。

今回紹介してきたような疾患において、口腔内を清潔に保ち、歯周病等の炎症をコントロールすることは、予後にも大きく影響してきます。かかりつけの歯科には、必ずご自身の治療中の病気と投薬を提出してくださるよう、よろしくお願いします。
 

大和高田市歯科医師会 福岡 哲郎

2021年度 歯周病と糖尿病

第1回 歯周病とは

みなさん、初めまして。これから4回にわたって糖尿病と歯周病の関係について連載していきます。

どちらの病気もよく耳にする病気かと思いますが具体的にどんな病気ですか?
と聞かれるとしっかり説明できる方は意外と少ないんじゃないでしょうか?
今回はそんな歯周病と糖尿病の深い関係性についてお話ししていきたいと思います。
歯周病がギネスブックに載っているのはご存知でしょうか?

2001年『全世界で最も蔓延している病気は歯周病である。地球上を見渡してもこの病気に冒されていない人間は数えるほどしかいない。』と記載されました。意外と知られていないこの事実。何故でしょうか?それは『自覚症状に乏しい』からなんです。歯周病は細菌感染による炎症です。

火事に例えるとボヤのうちは気がつきにくいのですが火が大きくなって初めて気付きます。そしてその『炎症』が糖尿病と大きな関わりがあるのです。次回はその糖尿病についてお話しします。
 

大和高田市歯科医師会 安江 徹
 

第2回 糖尿病とペリオ(歯科からの視点)

前回は歯周病についてお話ししました。今回は全身疾患である「糖尿病」と「歯周病」についての関係性をお話ししていきます。キーワードは「炎症」です。まずは糖尿病についてです。

日本糖尿病学会は糖尿病を「インスリン作用不足による慢性の高血糖状態を主徴とする代謝疾患群」と定義しています。
つまり「高血糖が慢性的に続くこと」が糖尿病の定義となります。糖尿病患者がインフルエンザや肝炎などで発熱すると血糖が上昇します。

炎症によってインスリンに効きが悪くなり血糖値を上昇させてしまいます。歯周病も細菌感染による慢性炎症(弱い炎症が長期的に持続すること)になるのでインスリンの効果に影響を起こしていると考えられています。

つまり「糖尿病と歯周病は炎症でつながっている」ことになります。また糖尿病は血管の老化を加速させる(脆くなる)ので麻酔を伴うしか治療では注意が必要です。

麻酔の中に含まれる薬や、術後の感染に対する注意が必要になるケースもあります。次回は、『歯周病の治療で糖尿病を改善できるか?』についてお話します。

 

大和高田市歯科医師会 安江 徹

第3回 糖尿病とペリオ(医科からの視点)

前回は糖尿病と歯周病の関係性についてお話ししました。では歯周病を治療することで糖尿病にはどういった影響が出てくるのでしょうか?
歯周病による炎症は全身から見ると軽徴なものです。しかし長期的に続く炎症が糖尿病の方のインスリンの効果を悪くしてしまいます。

今日に至るまでに様々な研究がされてきています。研究の結果は様々ですが、歯周病による炎症を持った糖尿病患者に対する歯周病治療ではHbA1cを低下させることができると認められています。
日本糖尿病学会による『糖尿病治療ガイド』では2008年から歯周病についての記載がされるようになりました。歯周病の治療は難しいことではありません。ただ患者さんの協力と理解が必要です。

歯周病の治療で歯を残し、糖尿病が改善できれば美味しいものをしっかり食べることができます。また歯周病の治療をすることで糖尿病の薬が減らすことができれば出費も減らすことができます。

歯周病を治して体にも家計にも良い影響を与えて行きませんか?


大和高田市歯科医師会 安江 徹
 

第4回 医科歯科連携

これまで歯周病と糖尿病について3回にわたってお話ししてきました。
難しい内容もあったかと思いますが、読んでいただいた方の一助になれば幸いです。

最終回の今回は医科歯科連携、全身疾患と歯周病についてです。現在歯科は健康の入り口という認識に変わってきつつあります。それは糖尿病、寝たきり、早産、最近ではアルツハイマーとの関係性もニュースになりました。

健口=健康という考え方が広く一般に普及することを願って止みません。歯科医師も口腔内だけではなく全身患者に対する知識が必要になってきています。

今後は医師と歯科医師が患者さんのトータルのケアを行うために情報の共有や意見交換することがより当たり前になってくると思います。予防歯科とよく言いますが、歯周病も虫歯も一度なってしまうと自己治癒は起りません。

そうなる前にかかりつけ歯科を持ってもらって、ご自身の全身の状態についてもお話ししてください。歯科を健康の入り口として関わっていただけたらと思います。


大和高田市歯科医師会 安江 徹
 

2020年度 オーラルフレイル

第1回 オーラルフレイルってご存じですか? その1

最近フレイルという言葉を耳にされた事があると思います。フレイルとは加齢に伴い心身の機能が低下して虚弱になっていき、自立度が低下して徐々に要介護状態に陥っていくことを言います。

加齢に伴う身体的衰えは誰しも避けることはできません。結果的に筋力は低下して生活に必要なエネルギーが減ってきます。そうすると、食欲低下を招き低栄養や体重減少になり、身体だけでなく精神的活力も失い、さらに悪化という負の連鎖に陥って行きます。

オーラルフレイルのオーラルとは「お口」ということです。フレイルと食事は切り離すことができません。先ほど述べたようにフレイルには食欲低下、低栄養が大きく関係します。

次回(9月号)は、お口の機能低下とオーラルフレイルの関連を詳しくお話します。
 

大和高田市歯科医師会 小松博幸
 

第2回 オーラルフレイルってご存じですか? その2

前回(6月号)は、オーラルフレイルとはどういうことか大まかにお話しました。では、どのようにしてオーラルフレイルに陥ってしまうのでしょうか。

最初はお口に関するささいな障害を放置して適切な処置を行わないことから始まります。そのことがお口の機能低下を招き、次第に食べる機能も低下してしまいます。しっかり食べることができないため、体力も衰えていきます。

それが影響して、次には色々なことに対する気力も無くなり、精神的にも悪影響が出てきます。こういった一連の負の連鎖が続きどんどん悪化していきます。
 

第1段階 加齢により生活の活動範囲が挟まり精神的に不安定が生じ、時として社会から孤立し、知らず知らずのうちに自身の健康への興味をなくし、歯が喪失しても放置する。

第2段階 歯が喪失したことにより、うまく食事をとることができなくなり、筋力も衰えて転びやすくなったり、食べこぼしたりむせやすくなる。

第3段階 お口の機能低下がさらに進行して、栄養障害に陥る。

第4段階 これらの進行の結果、要介護状態に陥ってしまう。


大和高田市歯科医師会 小松博幸
 

第3回 オーラルフレイルってご存じですか? その3

オーラルフレイルに陥らないための対策の3つのポイントについて。

1、    かかりつけ歯科医を待ちましょう!
常日頃から定期検診を受けることによりご自身のお口の中の状態を継続的に診てもらうことにより、口腔機能の低下や、体調変化等の異常を早期に発見することができ、適切な対応ができます。

2、    口のささいな衰えに気をつけましょう!
・最近良く物が歯の間につまるようになった。
・最近噛み切りにくくなった。
・最近よくむせて、咳き込むようになった。
・最近食べ物が飲み込みにくい。
・最近口の中が乾燥する。
・最近口臭が気になる。
・最近歯みがきすると出血する
など、ささいな違和感を見逃さずかかりつけ歯科医にご相談ください。

3、    バランスのとれた食事をとりましょう!
栄養のバランスを考えて色々なものを、柔らかいものだけでなく硬いものも、硬くは無いけどよく噛まないと飲み込めないものも。しっかり、ゆっくり噛んで。飲み込むときもあわてずゆっくりと。

これらのことに注意して、健康な生活をめざしましょう。


大和高田市歯科医師会 小松博幸
 

第4回 オーラルフレイルってご存じですか? その4

これまではオーラルフレイル、お口の機能低下と全身への影響についてお話ししてきました。

今回はそれ以外の全身の病気への、お口の環境による影響についてもお話しします。
お口の病気に歯周病という歯肉が腫れる病気があります。糖尿病にかかっておられる方は歯周病になりやすいことがわかっています。

他方、歯周病になると血糖コントロールが悪くなるとも言われています。すなわちどちらも、片方にかかると、もう一方にもかかりやすいということになります。糖尿病になると色々な他の全身疾患にもかかりやすく、また悪化しやすいため、それぞれが相互に影響します。

次に歯周病と心臓の病気についてです。歯周病になると歯肉が腫れて出血しやすくなります。その歯肉より細菌が血管に入り込み、心臓に到達し心臓の血管に炎症を起こし、炎症部位が動脈硬化を起こし、狭心症や心筋梗塞をおこす引き金になります。

呼吸器については、お口の中の細菌を誤嚥(誤って肺に入る)することにより、誤嚥性肺炎をおこします。

以上のようにお口の中の状態が悪いと、色々な他の病気の引き金となったり、悪化させたりします。お口の健康を守ることによって、体全体の健康も守りましょう。

 

大和高田市歯科医師会 小松博幸
 

この記事に関するお問い合わせ先

保健部 健康増進課

大和高田市西町1-45(保健センター内)
電話番号:0745-23-6661

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