小児の肺炎球菌
病気の説明
肺炎球菌は、細菌による子どもの感染症の2大要因のひとつです。この菌は子どもの多くが鼻の奥に保菌していて、ときに細菌性髄膜炎、菌血症、肺炎、副鼻腔炎、中耳炎といった病気を起こします。
肺炎球菌による化膿性髄膜炎の罹患率は、ワクチン導入前は国内で年間150人前後が発症していると推定されていました。死亡率や後遺症例(水頭症、難聴、精神発達遅滞など)はヒブによる髄膜炎より高く、約21%が予後不良とされています。
現在はワクチンが普及し、肺炎球菌性髄膜炎などの重篤な全身性感染症は激減しました。
予防接種について
20価肺炎球菌結合型ワクチンと15価肺炎球菌結合型ワクチンは、細菌の感染する能力を失わせたものを原料として作られる不活化ワクチンです。
ワクチン名 | 20価肺炎球菌結合型ワクチン 15価肺炎球菌結合型ワクチン |
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標準的な接種時期※1 | 初回免疫:生後2か月~7か月未満 追加免疫:生後12か月~15か月 |
接種回数 | 接種開始年齢により異なります。 詳しくは下の表をご確認ください。 |
接種対象年齢※2 | 生後2か月~5歳未満 |
※1:標準的な接種時期とは、病気になりやすい時期を考慮して定められた期間です。なるべくこの期間に予防接種を受けることをご検討ください。
※2:接種対象年齢とは、法律で定められた定期の予防接種の対象年齢です。接種対象年齢内に、定められた接種間隔で受けると無料で接種を受けることができます。対象年齢を過ぎた場合は、全額実費で受ける任意接種となりますので、ご注意ください。
初回免疫 (27日以上接種間隔をあける) |
追加免疫 1歳~5歳未満 (初回免疫最後の接種から60日以上あける) |
接種回数 | ||||||
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1回目 | 2回目 | 3回目 | ||||||
生後2か月~7か月未満 | 〇 | 1歳未満 | 〇 | 2歳未満 | 〇 | 〇 | 4回 | |
2歳以上 | × | 〇 | 3回 | |||||
1歳~2歳未満 | 〇 | × | 〇 | 3回 | ||||
2歳以上 | × | × | 〇 | 2回 | ||||
生後7か月~1歳未満 | 〇 | 2歳未満 | 〇 | × | 〇 | 3回 | ||
2歳以上 | × | × | 〇 | 2回 | ||||
1歳~2歳未満 | 〇 | × | × | 〇 | 2回 | |||
2歳~5歳未満 | 〇 | × | × | × | 1回 |
ワクチンの副反応について
接種後30分間は子どもの様子を観察しましょう。高熱や異常な反応が現れた場合は、すみやかに接種医の診察を受けてください。
よくある質問(クリックして回答を表示)
厚生労働省ホームページより一部抜粋
A.肺炎球菌感染症とは、肺炎球菌という細菌によって引き起こされる病気です。この菌は、集団生活が始まるとほとんどの子どもが持っているといわれるもので、主に気道の分泌物により感染を起こします。これらの菌が何らかのきっかけで進展することで、肺炎や中耳炎、髄膜炎などの重い合併症を起こすことがあります。 特に、髄膜炎をきたした場合には2%の子どもが亡くなり、10%に難聴、精神の発達遅滞、四肢の麻痺、てんかんなどの後遺症を残すと言われています。 また、小さい子どもほど発症しやすく、特に0歳児でのリスクが高いとされています。
A.小児の肺炎球菌感染症に対するワクチンには沈降15価肺炎球菌ワクチン(PCV15)と沈降20価肺炎球菌ワクチン(PCV20)があります。原則としてPCV20を使用することとしておりますが、PCV15の使用も可能です。 肺炎球菌には、90以上の種類があり、PCV15はそのうち15種類、PCV20は20種類の肺炎球菌に対して予防効果があります。
小児の肺炎球菌による、侵襲性肺炎球菌感染症(※)は、ワクチンの定期接種等が実施される以前の2008~2010年は10万人(5歳未満)あたり約24~26人が罹患(りかん)していましたが、2022年には、約4.8人と、約8割の患者数の減少がみられています。
※侵襲性感染症とは、本来は菌が存在しない血液、髄液、関節液などから菌が検出される感染症のことをいいます。
A.2024年4月から使用されている沈降15価肺炎球菌結合型ワクチン(PCV15)は15種類の肺炎球菌に対して予防効果があります。一方、2024年10月から定期接種に使用することとされた沈降20価肺炎球菌結合型ワクチン(PCV20)は、計20種類の肺炎球菌に対して予防効果を有しています。これにより、従来よりも多くの種類の肺炎球菌に対して予防効果が期待できると考えられています。 また、小児への投与方法について、PCV20はPCV15と同様、皮下注射または筋肉内注射により投与します。
A.沈降20価肺炎球菌結合型ワクチン(PCV20)を沈降13価肺炎球菌結合型ワクチン(PCV13)から切り替えて接種した場合の有効性と安全性は、薬事審査において確認されています。
2024年10月以降、PCV13を使用して1回目、2回目または3回目までの接種を終了したお子さんの接種について、残りの接種をPCV20を用いて行うことができます。
一方で、沈降15価肺炎球菌結合型ワクチン(PCV15)で接種を開始した場合は、原則として同一のワクチンで接種を完遂してください。
この記事に関するお問い合わせ先
保健部 健康増進課
大和高田市西町1-45(保健センター内)
電話番号:0745-23-6661
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更新日:2025年04月01日