池田遺跡

更新日:2022年07月25日

池田遺跡

手が折れて無くなっており、頭には冠を被り髪はみずらに結っている、正装した男子の上半身の形象埴輪の写真

馬見丘陵南端部の西側斜面や周辺の沖積地に広がる、後期旧石器時代から江戸時代にかけての遺跡です。古墳時代の生活面からは、4~6世紀にかけて築造された10数基に及ぶ前方後円墳、方墳、円墳などの古墳が、開墾によって削平された状態で発見されました。発見された古墳はいずれも規模は小さく、また水に浸かりやすいなど立地条件も悪く、見晴らしの良い丘陵の高所に造成された大型の築山古墳等の古墳とは対照的です。古墳群からは大型の鶏、盾持ち人、巫女、盛装した男子など、大型古墳にも引けを取らないほどの精巧な形象埴輪が出土しました。香芝市下田東古墳や橿原市四条1号墳など、小規模な古墳からの形象埴輪の出土例は増えてきています。

古墳時代の生活面の下に堆積した遺物包含層からは、後期旧石器時代の国府型ナイフ形石器、縄文時代草創期から晩期に到るまでの各時代の土器、弥生時代の打製石剣の半製品など大量の遺物が出土しました。今後は、これらの遺物が使われた時代の遺構の発見が期待されるところです。

盾持人埴輪・盛装した男子埴輪が、中国陝西省歴史博物館(西安)で開かれた特別展「日本考古展―古都奈良考古文物精華展―」に、奈良を代表する貴重な遺物の一つとして、平成23年10月21日から同年12月19日まで出展されました。なお、今後は大和高田市郷土資料室(大和高田市土庫3丁目5-34)で、希望者に公開されています。

手が折れて無くなっており、頭には冠を被り髪はみずらに結っている、正装した男子の上半身の形象埴輪のアップの写真
円筒の上に、体が隠れるくらいの大きさの盾に人の頭を乗せたような形状の盾持ち人の埴輪の写真
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