弥勒寺

更新日:2022年10月14日

概説

大和高田市土庫に所在する真言宗豊山派の寺院で、中戸山弥勒寺と号します。寺伝によれば、天文7(1538)年に地侍である土庫氏が現在とは別の土地に建立し、江戸時代中頃に現在の地へ移築したとされています。詳しいことは分かっていませんが、元々寺院が建てられたとされている場所には現在でも中戸山と呼ばれる地名が残されています。現在は宝永6(1706)年建立の本堂や鐘楼(鐘に延享元(1744)年の銘あり)が残っています。

木造弥勒仏坐像

木造弥勒仏坐像

像高147.3センチメートルと大型の一木造りの弥勒仏です。制作は平安時代(10世紀~11世紀)と考えられます。半丈六をはるかに超える大型仏で、両脚部を含めてほぼ全容を一材から彫り出しており、一木造りが盛行する平安時代初期にも類を見ないほど大きな木取りを示します。螺髪や白毫、表面の漆箔などは後補ですが像容に大きな改変はなく、保存状態も良好です。

同時期の弥勒仏の作例から当時は弥勒信仰が盛んであったようですが、現存作例が少なく、奈良県内においても平安時代後期の古様な一木造りは数多く伝わる中で、半丈六の体躯を脚部を含めて一材から彫り出す手法に顕著な特色を示し、優れた弥勒仏の大作として貴重です。平成24年9月20日に国指定の重要文化財に指定されました。

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