東中の四季農耕図絵馬(ひがしなかのしきのうこうずえま)
東中の四季農耕図絵馬 1面
本絵馬は杵築神社(東中1丁目)に天保15年(1844年)に奉納されたものです。
画題は農耕で、画面右上の籾蒔きに始まり、画面右下の蔵入れで終わります。
細部の作業工程は、籾蒔き、田起こし、苗取り、田植え、草取り、稲刈り、稲束運び、唐竿打ち、土臼による籾摺り、俵詰め、俵締め、蔵入れにいたる十二の場面が描かれています。また、画面の右下には藁葺きと瓦葺きの建物、画面の中央と左下には藁葺きの建物が描かれています。他には、蔵入れ作業の左に、子守をする女性と子ども、風選する唐箕が描かれています。
なお、昭和33年刊行の『大和高田市史』には、額部の左に「天保十五年辰九月吉日」の墨書銘が記載されているとありますが、現在、その筆跡を確認することはできません。
画面の左端には和田桃景の署名と落款が認められ、制作年代や筆づかいなどの点から、二代目和田桃景作の可能性が高いと考えられます。
本絵馬は、奉納年が明らかな上、二代目和田桃景作である点で重要です。併せて、籾蒔きから蔵入れまでの一連の農作業を体系的に描いた絵画資料として高い価値があります。

東中の四季農耕図絵馬 全景 (杵築神社)

田植え

稲刈り

稲束運び
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更新日:2025年05月29日